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安田純平さんのメール


安田純平さんのメール(4月14日午前2時)について

(これは、星川淳さんのところに届いた○○市在住の○○早苗さんのメールです。転記するのあたって行替えを変更しました。)

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○○在住の○○早苗と申します。職業は、障害者ホームへルパーです。

安田純平さん(ジャーナリスト)がバグダッドから送ってくださった思いを、日本の、まだ、イラクを訪れたことのない人たちにお知らせしたくて、このメールを送信します。ご友人などに、転送してくださることを希望します。

14日の午前2時(日本時間)に、安田さんからのメールが届きました。12日付東京新聞の夕刊に掲載された安田さんの記事を読んで私は、感想をメールしました。そして、安田さんのジャーナリストとしての思いのこもった、返信メールが届きました。

『自衛隊撤退要求運動は日本人のためだけにやるのか
 イラク人を含めた市民社会そのもののためにやるのか
 その点が問われていると思います』

高遠さん、今井さん、郡山さんが拘束されたという事件によって盛り上がった運動に対する安田さんの意見が、きっぱりと書かれていました。

『いまどきの「平和」運動は
 ブッシュなどの悪者をつくるばかりで反省がなさすぎていけません
「繰り返しませんから」
 と自らに対する決意をうたった広島の経験に戻るべきです』

そして、

『やっぱり現場の空気を吸わないといけないと思うのです』

安田さんの言葉に、迷いは感じられません。

イラク戦争中、日本のTV局、新聞社の方たちは、みんな、イラクから出て行きました。そして、安田さんのようなフリーのジャーナリストが、攻撃を受ける側の取材をつづけました。現場の空気、市民のほんとうの声、それを伝えるために、イラクに居つづけました。

そういう人たちがいなかったら、私たち日本人は、イラク戦争を、攻撃する側の目からしか見ることができなかったでしょう。

12日の東京新聞の記事は、「ナホコは戻ってくるの?」というタイトルで、高遠菜穂子さんが支援していたストリートチルドレンを取材したものでした。

体からシンナーの匂いが漂う少年に、安田さんが「彼女が戻ってきたら、怒るぞ」と声をかけると、少年は気まずそうにシンナーの入ったペットボトルを投げ捨てたのだそうです。高遠さんが、いかに、少年たちの中に入り、深い信頼を得てきたか、それがわかると、安田さんは書いています。

また、解放されれば、高遠さんはまた彼らのもとに戻ろうとするかもしれないけれど、彼女が活動していくことはこれまで以上に厳しくなるだろう、反米感情の高まりとともに、自衛隊を派遣した日本を敵視する声が増えてきたから。

と現地の状況を伝えています。

高遠さんたち3人が解放されたとのニュースが、今、テロップで流れました。

よかったです。
うれしいです。

でも、今こそ大事なときだと思います。自衛隊を行かせてしまった日本人として。

私は、去年の夏、イラクに行きました。イラクの人たちの「親日」の思いを肌で感じてきました。

8月、バグダッドで、おふたりの子どもを持つお父さんと知り合い、彼から頼まれました。

「イラク人は日本人のことを、とても好きで信頼しているけれど、自衛隊がイラクに来たら、日本人だって、許せないよ。たとえ日本人でも、アメリカに協力するために来るなら、私は戦うよ。だけど、ずっと友だと思ってきた日本人を、撃ちたくはない、そんなことにならなければいいと思う。だから、アキサダが日本に帰ったら、頑張ってほしいんだ。自衛隊がイラクに来ないよう、運動をしてほしいんだ。」

自衛隊がイラクに派遣されていなかったら、高遠さんは、今ごろ、バグダッドのストリートチルドレンたちの元にいることでしょう。

安田さんは、イラクの市民の取材を続けていることでしょう。

自衛隊が引き上げてくれたら、私は、また、イラクに行きたいです。ナツメヤシの木の木陰で、羊の遊牧を見ながら、ゆっくり食事をしたいです。

イラクは、ほんとうは、そういうことのできる場所なのです。

私は、それを知っているから、なんとか、みなさんに、お伝えしたいです。


○○ 早苗


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